「歯みがきと感染症」

上三川町立本郷中学校二年 中村 百花

 このところ、毎日のように東日本大震災のニュースをテレビや新聞、インターネットで目にする。その数々のニュースの中で、次のような記事があった。
「過去の経験生かして歯磨き 肺炎死防ぐ」
 この記事によると、東日本大震災の被災地に、歯ブラシなどの口内を洗浄するための用品が多く届けられたらしい。その理由は、平成七年の阪神大震災の経験にあった。この地震でも、多くの方々が避難所へと避難していて、集団生活を強いられるため、被災者は、日に日にストレスがたまってきていた。さらに電気、水道、ガスが停止したため、水不足の状態にあり、歯磨きができなくなってしまっていたのだ。このため、口内の細菌が、日に日に増え、高齢者の方々は、その細菌が肺に入って、肺炎を発症したために、亡くなる方が多かったのだという。だから今回は、それを防ぐために、歯ブラシが多く届けられたようだ。
 私は、この記事を読んで、とても驚いた。歯を磨かないで人が死ぬことがある、ということを初めて知ったのだ。
 普段私は、歯磨きといっても、適当にやって適当にうがいをして終わりだった。でも今回の記事を読んで考えているうちに、その私の、「適当」な磨き方では、意味がないのではないかと思った。
 私は今回の記事を読んで、自分の足りなかったところを見つけられたのではないか、と思う。私はずっと、「適当でも、やっていればよい。」と思っていた。しかし、今回のことでそのことに気付けて、とてもよかったと思う。これは、歯磨きだけでなく、全てのことに共通するのではないか、と思う。学校行事に対しても、普段の生活に対しても。
 だから私は、これからは、一つ一つのことに対して「適当」ではなく、「しっかり」という心構えで取り組んでいきたい。
 みなさんも、「毎日、当たり前だと思ってやっていたことを、適当にやっていませんか。」「歯みがきを毎日三回、欠かさずやっていますか。」それを改めて、自分自身に聞いてみてほしい。そして、歯を磨くことは、どれだけ大切なことなのか、もう一度、じっくり考えてほしい。

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