「わたしの大切な友達」

栃木市立大宮北小学校四年 西浦 ひかり

「ひかりちゃん、ばあちゃんは、72才になるけどほとんど自分の歯なんだよ。だからひかりちゃんもカルシウムをたくさんとって歯を大切にするんだよ。」
と、話してくれたのは、何日か前のことでした。
 わたしのおばあちゃんは、石川県に住んでいます。そしていつも電話でいろいろな話を聞かせてくれます。おじいちゃんが畑で野菜を作っているので、そのきせつの野菜やくだ物をたくさん送ってくれた時に、野菜がどんな風に体にいいのかとか、ほねを強くしてくれるのかとかよく教えてくれて勉強になります。わたしが一番おどろいたことは、野菜をほすとカルシウムがふえるということです。特にだいこんは、生で食べるよりもほすとカルシウムが二十倍になると教えてくれました。
 わたしは今までカルシウムは、牛乳や魚から取るものだと思っていました。だけど、太陽をたくさんあびただいこんは、わたし達のほねを強くしてくれて、歯を作ってくれていることに気がついたのです。わたし達も太陽をたくさんあびて、外で元気に遊ぶと体やほねがじょうぶになると言われているから、きっと野菜も同じなんだなあと思いました。
 わたしは、今年の五月で十才になります。まだにゅう歯のままで生えかわっていない歯もたくさんあります。そして、小さいころからずっといっしょに生活してきた歯は、とても大切な友達だと思っています。それは、おいしい物をいっしょに食べたり、苦手な物をがんばって食べたり、何でもいっしょに食べてきたからです。そして歯をとても大切にみがいてきたのでまだ、虫歯ができたことがありません。でもそんな大切な歯とお別れをしなくてはいけない時もあります。それは、一週間前のことでした。少し歯がぐらぐらしていると思ったら、急にぽろっとぬけてしまったのです。
「お母さん、歯がぬけたよ。」
とあわててわたしが言うと、
「上の歯、下の歯、どっちがぬけた。」
と、お母さんが聞きました。
「上の歯だよ。」
と、わたしが言うと、
「じゃあ下に向かって投げなくちゃね。」
と、言ってにこにこしていました。じょう夫な歯が生えてくるおまじないなので、歯がぬけるたびにやってきました。今まで一緒だったにゅう歯とはなれるのは少しだけさびしいけれど、大人の歯が生えてくるためのバトンタッチなのでよろこばなくちゃいけないと思いました。そして心の中で、今まで一緒にいてくれてありがとうと言いました。
 今まで大切にしてきた歯、そしてこれから生えてくる大切な歯のために、野菜と一緒に太陽をたくさんあびてカルシウムを取りたいと思いました。それがいつもがんばってくれているわたしの大切な歯へのプレゼントだからです。

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