「自分の歯は自分で守る」

茂木町立逆川中学校三年 齋藤 美桜

 みなさんは、自分の歯について考えたことはありますか?私は、今まで改めて歯について考えたことはありませんでした。しかし、小学六年生の時、ある出来事がきっかけで、歯について考え、歯の大切さに気づくことができました。
 私が、小学六年生の六月十九日。私に、妹ができました。とても小さくて、とてもかわいくて、毎日世話をするのが楽しみでした。
 ある日、母が妹にミルクを飲ませていました。その後に、母は、妹の歯ぐきや口の中をガーゼで拭いていたのです。みなさんも知っていると思いますが、生まれたばかりの赤ちゃんは、歯が一本も生えていません。歯が生えていないのに、なぜそんなことをするのかと疑問に思った私は、母に聞いてみました。すると、母は、
「歯が生えていなくても、歯が生え始めたときにむし歯にならないように、今から口の中をきれいにしておくんだよ。」
と、教えてくれました。
 その後、妹に下の前歯が二本生えてきました。二本しか生えていなくても、母は、毎回毎回丁寧に時間をかけてみがいていました。
 やがて、妹がわたしたちと同じ食べ物を食べるようになると、母は、
「みんなが使ったお箸では、食べさせないようにしてね。」
と、家族みんなに言いました。これは、妹に私たちの口の中にいるむし歯の菌がうつらないようにするためだそうです。私は、同じお箸を使うだけで、簡単にむし歯の菌がうつってしまうことを知り、とても驚きました。そして、それからは、家族が使ったお箸を使って食べさせないように、とても気をつけるようになりました。
 私は、妹がむし歯にならないように気をつけている母の姿を見ることで、歯の大切さに気づくことができました。また、母が、私が赤ちゃんの時もむし歯にならないように気をつけていたことを知り、母に感謝すると同時に、自分も歯を大切にしようという気持ちになったのです。
 同じく、小学六年生の時です。大切にしていた私の歯にも、むし歯ができてしまいました。歯ぐきが腫れ、とても痛かったのを覚えています。治療のために、歯科医院に通いました。歯科医院では、むし歯の治療の他に、歯科衛生士さんから正しい歯のみがき方を教えていただきました。それまでの私は、ハブラシを強く歯に押しつけてみがいていました。しかし、このみがき方では、みがき残しが出てしまうそうです。ハブラシは軽く持ち、小刻みに、一本一本みがくようなイメージで動かした方が、みがき残しはなくなると教えていただきました。
 早速、私は、教えていただいた正しいみがき方を実践してみました。ハブラシの持ち方や動かし方に気をつけるのと同時に、私が特に気をつけたのは、奥歯をみがくときです。奥歯はみがきづらく、むし歯になりやすいと聞いていたので、入念にみがきました。また、歯と歯の間もきちんとみがけているか、確認しながらみがきました。一回の歯みがきで、こんなにもいろいろと考えながらみがいたのは、初めてでした。この作業を毎日行うことは大変だと思いました。私は、一度決めたことを最後までやり遂げることが苦手です。しかし、今まで母があれだけ気をつけてくれた私の大切な歯を守るために、今度は自分が気をつけなければと思いました。「自分の歯は自分で守る」という強い気持ちを持ち、私は、これからも正しいみがき方を続けていこうと思います。
 毎日歯みがきをする中で、私は気づいたことがあります。それは、歯並びがよいことの大切さです。歯並びは、歯の健康に大きな影響を及ぼします。例えば、歯並びが悪いと、歯みがきの時にハブラシが行き届かず、汚れが残ってしまい、むし歯になりやすくなります。また、汚れが残っていると、口腔環境が悪くなり、歯肉炎や口内炎にもなりやすいそうです。歯並びのよさが、むし歯予防や歯周病予防にもつながっていることが分かりました。歯並びについては、固いものをよくかんで食べ、あごを丈夫にすることが大切だそうです。これからは、むし歯予防だけでなく、こうした口腔全体の健康についても考えていきたいと思います。
 私は、母が守ってくれた大切な歯を、そして、口腔全体の健康をこれからは自分で守っていきたいと思います。「自分の歯は自分で守る」という言葉を胸に。

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