いつまでも自分の歯で

小山市立中小学校六年 安齋 隼太朗

 ぼくのおじいちゃんは、もう七十才をこえている普通のおじいちゃんですが、何と全て自分の歯で、入れ歯や治りょうした歯が一本もないのだ。つまり七十才過ぎまでむし歯が一本もないということになる。ぼくは、びっくりしてその理由を母に聞いてみた。すると母は、
「毎日きちんと歯みがきをしているから、自分の歯が何十年ももっているのよ。」
と言っていた。確かにその通りだろう。歯を毎日きちんとみがく、口で言うのはかん単だが、ぼくなんかはついわすれてしまったり、いいかげんになってしまったりがよくあるので、おじいちゃんはえらいと思う。
 おじいちゃんは、どうやってみがいてきたのだろう。そう思いおじいちゃんに聞いてみた。おじいちゃんは、
「歯ブラシでみがくだけだよ。昔は家の近くに歯医者さんがなかったから自分で、気をつけていないとだめなんだ。むし歯になって痛むとぬくしかなかったから、そうならないようにていねいにみがいたよ。」
と答えてくれた。ていねいにみがけば、むし歯にならないということがよく分かった。ぼくは、歯みがき粉にたよっていいかげんにみがいていた自分を反省した。
 おじいちゃんは、歯みがきの話をしてくれた時、昔の食事の話を聞かせてくれた。今は食べ物が豊富で、何でも食べたい物が手に入るが、昔はおやつなんてなく、あっても山の山いちごやかきぐらいだったそうだ。食事もごはんとみそ汁、つけ物が中心でたまに魚やに物があったそうだ。
 家庭科や保健の学習で栄養や健康についての学習をした。昔の食事は、日本の伝統的な食事である和食だった。一汁三菜で栄養のバランスが取りやすく、歯ごたえのある野菜もたくさん食べられていた。歯ごたえのある物はよくかまなくてはいけない。よくかむことであごが広がり歯ならびがよくなり、脳にもいいそうだ。歯ならびがよくなると歯もみがきやすいので、むし歯になりにくいと思う。
 それに比べて、今は、甘い物も多いし、やわらかい物がとても多い気がする。ぼくたちの歯の健康を守るためには、歯みがきだけでなく、食事も見直さなくてはいけないということが分かった。
 ぼくは、まだ十一才で、おじいちゃんの年には、まだ六十年以上ある。むし歯は、今のところはない。おじいちゃんを見習って年をとっても元気な歯でいられるように歯みがきと食事に気をつけてがんばろうと思う。そして、七十才をこえても全部、自分の歯だと自まんできるようにしたい。給食後の歯みがきの歌の中に「8020」という言葉がある。八十才まで二十本の歯を残そうということだそうだ。じょうぶな歯は長寿の秘けつだと思うので長生きできるよう歯を大切にしたい。

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